BtoCとは、企業が個人である一般消費者に向けて商品やサービスを提供するビジネスモデルのことを指します。

BtoCマーケティングは、ターゲット層のニーズに合わせた施策を行い、販売を促進するマーケティング活動で、

BtoCビジネスで成功するためには、BtoCの特徴を踏まえた最適なマーケティング戦略を立てることが大切です。

そこで、今回はBtoCマーケティングの基本的な手法から、成功するためのコツ、注意点などをご紹介していきます。

01BtoCマーケティングとは

BtoCとは、「Business to Customer」を略したもので、企業が個人に対して商品やサービスを提供するビジネスモデルのことを言います。

私たちが日頃から購入している食品や洋服から、旅行や美容室などは全てBtoCにあたります。

BtoCマーケティングは、一般消費者のニーズに合わせた適切な手法でアプローチを行い、販売を促進する一連のマーケティング活動を意味する用語です。

02BtoCマーケティングとBtoBマーケティングの違い

BtoCマーケティングに対して使われるビジネス用語に、BtoBマーケティングがあります。

BtoBは「Business to Business」の略で、文字通り企業が企業に対して行うビジネスモデルのことを指し、BtoCとは異なる特徴があります。

マーケティングを行う際にはそれぞれのビジネスモデルに適した戦略を立てることが重要です。

ここではBtoCマーケティングとBtoBマーケティングの違いについてご紹介していきます。

ターゲットの対象

BtoCとBtoBはターゲットの対象が大きく異なります。

BtoCのターゲットは個人である一般の消費者となるため、企業は一般的な商品やサービスを提供します。

それに対して、BtoBでは企業や個人事業主をターゲットとして、対象者のニーズに合わせた商品やサービスが提供されます。

このようにBtoCとBtoBではターゲットの規模や属性、ニーズが異なるため、それぞれに合わせたマーケティング戦略が求められます。

意思決定のプロセス

BtoCの対象者は個人の消費者となるため、基本的に商品やサービスを購入する際は消費者本人が意思決定を行います。

BtoBの場合は、個人的な消費とは異なり企業による比較的規模の大きい購入となるため、一般的には個人の意思で購入が決定されるケースは少なく、複数人が関わり段階的に意思決定が行われます。

そのため、BtoBはBtoCに比べて商品購入の決定までのプロセスに時間がかかる傾向があります。

また、BtoCが対象とする一般消費者は、購入を決める際に商品の品質や利便性を検討するだけでなく、気分や感情、流行にも左右されます。

BtoCの場合、販売する商品によるところが大きく消費者本人の意思決定で購入を決めるまでの時間は最短になり、通販などオンラインで購入まで完結する商品に関してはさらに時間が短くなります。

そのため、BtoCマーケティングが有効的な販売コンテンツの一例として以下のものがあります。

• 動画
• 資料
• オンラインイベント
• コミュニティ
• 記事

BtoCの購買行動メカニズムで、DECAX（デキャックス）があります。

DECAXは「Discovery（発見）」「Engage（関係の構築）」「Check（確認）」「Action（購買）」「eXperience（体験と共有）」の単語から成り立っている、現代を代表するコンテンツマーケティングを指します。

消費者にとって有益な情報を発信することでコミュニケーションを取る手法です。

ユーザー視点での行動モデルになっており、戦略を考える上で役立つでしょう。

一方で、BtoBは企業にもたらす利益が重要視されるため、合理的かつ客観的な視点で購入が決定されるのが特徴です。

取引の規模

個人消費者を対象としたBtoCでは取引額や数量が小さくなる傾向がありますが、BtoBでは企業のビジネスにおいて大量の商品やサービスが必要となるケースが多いため、取引額、数量共に大きくなるのが一般的です。

また、BtoCは多くの個人消費者に向けてマーケティングが行われるのに対し、BtoBは顧客数が少なく限定的なのも異なる点です。

このような取引規模の違いを理解した上で、マーケティングを行なっていくことが大切です。

以下の記事では、さらに詳しくBtoBとBtoCの違いについてご紹介していますので、こちらもぜひ参考にしてください。

『BtoBとBtoCの違いとは？Webマーケィングで成功率アップ』

03BtoCに役立つマーケティング手法

次に、BtoCマーケティングに役立つ代表的な手法をご紹介します。

広告出稿

多くの企業が取り入れているマーケティング手法として、広告出稿があります。

広告出稿では、不特定多数、多くの人たちに情報として届けることが第一目的であり、キャッチコピーやビジュアルで商品・サービスの情報を伝えるだけでなく、ブランドの認知やブランドイメージを高める効果も期待できます。

さらに、広告出稿にはテレビCMや新聞、雑誌などの従来から存在するマス広告だけでなく、インターネット上やSNSへの出稿など、様々なメディアが活用されています。

また、最近は街中の様々な場所に設置されたデジタルサイネージ広告も増えており、インターネットと接続することで最新情報の提供や、他のマーケティングチャネルとの連携も簡単に行えるようになっています。

このように、広告出稿と言っても様々な種類や表現方法があるため、ターゲットや施策の目的に応じた媒体選びや内容を検討することが大切です。

オウンドメディアマーケティング

オウンドメディアとは、企業が自社で保有するWebサイトやSNS、ブログなどのメディアのことを指します。

自社コンテンツを活用することで消費者に対して直接的なアプローチが行えるため、顧客からの安心感を高め、距離感を縮めることができます。

制作した独自コンテンツは、継続的に行なうほど社内の財産として蓄積され、顧客に対してより多くの情報を与えられるとともに、より企業や商品に対する深い理解につながるでしょう。

また、オウンドメディアは他のマーケティングよりも低コストで、費用対効果が高いのもメリットです。

SNSマーケティング

消費者の多くが日常的に利用するようになったSNSを活用したマーケティングも、BtoCマーケティングに効果的な手法の1つです。

SNSは情報の拡散スピードが早く、ターゲティング機能に優れたものも多いため、最新の情報を適切なターゲットに対して届けることができるのも魅力です。

また、「UGC」（User Generated Content）一般のユーザーが投稿しているコンテンツのことで、BtoCにおける購買行動の動機づけの中でも、重要性も高くなっています。

そのため、商品やサービスによっては、消費者に対して影響力のあるインフルエンサーを起用したSNSマーケティングも高い効果的が期待できるでしょう。

イベント企画

PRイベントや展示会の企画を通じて、ターゲットとする消費者に訴求する方法です。

企業が提供する商品やサービス、あるいは関連商品に対して興味を持つ消費者に実際に体験をしてもらうことで、より多くの見込み客を対象にアプローチできるのが特徴です。

ここ最近ではリアルなイベントだけでなく、ウェビナーなどのオンラインイベントを活用する企業も増えています。

オンラインイベントは低コストで開催できるだけでなく、時間や場所に縛られないため、より幅広い消費者の興味関心を集めることが可能です。

メールマーケティング

ターゲット層に向けてメールを送信することで、商品やサービスに関する情報を発信する方法です。

メールと一口に言っても、メールマガジン、メール広告など様々なアプローチ方法があるため、企業にとって最も適切な方法を選ぶことが大切です。

メールマーケティングはコストを抑えられるだけでなく、メール受信を承諾したユーザーだけに限定して配信できるため、高いコンバージョンも期待できるのが特徴です。

04BtoCマーケティングの注意点

BtoCマーケティングを行う際の注意点を3つご紹介します。

明確なターゲット設定

どのようなユーザーに対する施策なのか、ターゲット設定が曖昧となったままマーケティング活動を行ってしまうと、期待する効果が得られないだけでなく、費用対効果も落ちてしまいます。

マーケティング施策を進める際には、事前に明確なターゲット設定をした上で、それに合わせた方法を選ぶことがポイントです。

その他、そのターゲットユーザーのニーズをしっかり把握することも重要になってきます。

適切なマーケティングチャネル

設定したターゲット層に対して適切なチャネルを選択することも大切です。

現代における多くの消費者は、様々なチャネルを通じて商品に関する情報を得ています。

また、消費者のタイプや商品に関する興味の度合いに応じて、選択されるチャネルも異なります。

そのため、最適なマーケティングチャネルを模索するだけでなく、目的に応じて複数のチャネルを組み合わせたマーケティング戦略を検討することも効果的です。

トラブル発生時の対策

カスタマークレームや炎上などのトラブルが発生した際に、スピーディーな対応が取れるように対策をしておくことも重要なポイントです。

近年では、インターネットやSNSによるマーケティングによって情報を素早く伝えられるようになったことがメリットである反面、不適切な情報も瞬時に拡散されてしまうなどの炎上リスクもあります。

日頃からトラブルが起きないように注意するだけでなく、万が一トラブルが発生してしまった場合の対策をしておくことで、消費者との信頼関係を継続することができるでしょう。

05BtoCマーケティングを成功させるコツ

ここでは、BtoCマーケティングを成功させるコツをご紹介します。

ブランドイメージを高める

BtoCマーケティングでは、商品やサービスそのもののだけでなく、ブランドのイメージや価値を伝えることも大切です。

消費者のブランドイメージが高まることで信頼感が生まれ、その結果、購買意欲が高まることにつながります。

ものが溢れた現代において、似たような商品がある中で競合他社と差別化を図るためには、ブランドイメージの確立も重要な要素となります。

自社が展開する商品・サービスの価値をしっかり見極めて、アピールしていくようにしましょう。

PDCAサイクルを回す

PDCAサイクルは、Plan（計画）、Do（実行）、Check（評価）、Act（改善）の頭文字を取ったもので、これら4つのステップを繰り返すサイクルです。

BtoCマーケティングでは施策を行うだけでなく、その方法がターゲットとする顧客に届いているか、反応が得られているかといった効果検証が重要です。

初めのうちは効果的な施策だったとしても、トレンドの移り変わりや競合他社など周囲の影響によって状況が変わることも考えられます。

また、PDCAサイクルを回すことで施策の成果を検証できるだけでなく、万が一問題が生じた場合に早期発見ができることもあります。

そのため、マーケティングの成功だけでなくリスク回避という側面においても、PDCAサイクルを活用して継続的に改善していくことが大切です。

MAツールを活用する

MAとは「Marketing Automation（マーケティングオートメーション）」の略で、MAツールとは、マーケティングにおける一連の活動を自動化して効率的に実施するためのツールです。

MAツールを活用することで、顧客情報の分析やメールの自動送信などといったマーケティングに必要な様々なタスクを自動化し、業務効率を上げることが可能です。

業務負担の軽減だけでなく、MAツールは様々なデータの中から必要な情報を抽出して精度の高い分析を行えるため、より顧客のニーズに合わせたアプローチができます。

特に、中長期的な戦略が必要な商品・サービスにおいてMAツールの活用は効果を発揮しやすく、高いマーケティング成果が期待できます。