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株式会社ナハト

デザイン作成で大事なポイントは?デザイン専門の先生に取材しました

このたび、ナハトが主にインターンの就業先として提携をしている沖縄の専門学校「学校法人 KBC学園」のグループ校の先生に取材を行いました。今以上に価値あるPRを行うため、魅力ある広告デザインについてお話を伺っています。

今回お話をお伺いした先生:謝敷 宗邦(ジャジキ ムネクニ)先生

1.謝敷先生のご紹介

<取材担当者>
まず初めに謝敷先生の簡単なご経歴について教えてください。

<謝敷先生>
私は現在、インターナショナルデザインアカデミー専門学校(IDA)でグラフィックデザインの担当をしています。

自分が高校生のときに将来、雑誌編集関連の業務に携わりたいと考えておりました。 また出身地の沖縄が好きなので、まず沖縄にあるIDAに入り勉強しようと考えました。

IDAではデザインに加えて、雑誌編集関連の勉強もできたため入学をしました。卒業後は、雑誌の広告を担当する制作会社へ入社し、仕事に従事しておりました。その後、卒業校であるIDAから、先生として働いてみないかとのお声がけがあり、現在に至ります。

<取材担当者>
謝敷先生が学校で教えていらっしゃる、ご専門の分野について教えてください。

<謝敷先生>
IDAではアナログ系のデザインとデジタル系のデザイン、またデザインコンセプトを考える授業を展開しています。例えばアナログ媒体であるポスターや、Web広告などで使用されるデジタルデザインなど幅広くグラフィックデザインを作成しております。

また最近では、IDA宛てにさまざまな企業様から広告を作って欲しい旨の依頼があり、その広告を作ることもしております。

2.デザイン作成で大事にしているポイント

<取材担当者>
謝敷先生は数多くのデザインを作成してきているのですね!デザインを制作するに当たって、気をつけるポイントなどさまざまあると思うのですが、謝敷先生がデザインを作成するうえで大事にしているポイントは何でしょうか?

<謝敷先生>
クライアントやターゲットに寄り添ったデザインを作ること」が重要だと思っています。クライアントである企業様からポスター制作の依頼があったときに、そのポスターを作ることで「集客したいのか」「購入につなげたいのか」で広告デザインは変わります。

そのため、クライアントが広告に何を求めているのかを常に考えながらデザインを作成します。さらにそのデザインが「ターゲットであるユーザーの心に響くか」を考えながらデザインを作っています。

このようなクライアントやターゲットに寄り添ったデザインを作る意識こそが最も重要なポイントではないでしょうか。

<取材担当者>
確かにデザインを依頼したクライアントが何を目的としていて、ターゲットユーザーにどう捉えられるかを考えることは単純なようでとても重要な要素ですね。

弊社も同じく広告デザインを作る会社として、クライアントから商品をPRしたり、売って欲しいなどの依頼が非常に多くあります。その依頼では商品が売れやすくなるようにして欲しいなどの要望が多いですね。
そこで、謝敷先生の考える売れるデザイン・売れにくいデザインとは何だと思いますか?参考にさせてください!

<謝敷先生>
一人一人の考え方によって偏るかもしれない質問ですね(笑)

私は、売れるデザインで最も重要な要素は「飽きがこないデザインであること」だと考えています。 例えば、デザイナーの佐藤卓さんの作るデザインは飽きがこないデザインで長年愛用されているものだと思います。

このように飽きがこないデザインは商品認知を定着させてくれますし、そのおかげで商品が売れ続けるため、「売れるデザイン」だといえるのではないでしょうか。

またその他に重要な要素として、商品のブランドイメージがしっかりと浮かぶデザインも大事だと思います。 やはりロゴなどのデザインをみたときに「あの会社の商品だ!」とすぐわかるので、商品の購入につながりやすくなります。

一方で、ユーザーの目を引く奇抜なデザインもあります。 例えばWeb媒体だと、クリックや購入につながる場合が多々ありますが、やはり「売れ続ける」かは微妙なところです。 というのも奇抜なデザインは一時的に目立つかもしれませんが、「商品が売れ続けるようなデザイン」となるかは微妙なところです。

やはり「商品を売れ続けさせる」ためには飽きのこないデザインが最も重要な要素ではないでしょうか。

<取材担当者>
ありがとうございます。商品のイメージを定着させるために「飽きのこないデザイン」だったり「ロゴを見てどの会社の商品かわかる」などの要素が非常に重要なのですね。

お話しいただいた通り、商品を売れ続けされるために大事なのはその商品のデザインなどが長く使われることですが、長く使われ続けるために重要な要素はあったりするのでしょうか??

<謝敷先生>
商品それ自体の良し悪しも関係してくるので一概にお答えするのは難しいですね(笑)。ただ、これまで見てきた中で商品開発の段階でコンセプトメイキングができている商品はデザインも含めて長く残っていると思います。

商品のコンセプトを理解したうえで、デザインを作成すると商品にマッチした素晴らしいデザインになることが多いでしょう。この過程こそが非常に重要だと考えています。

私も実際に、学生に商品を好きになった上でデザインを作成するように教えています。 ユーザーが商品をどう思っていて、その商品に何を期待しているかを考えながらデザインをすることが大事ですね。

それが商品とユーザー、双方にマッチしたものだとターゲットユーザーにデザインが受け入れられ、長く使われ続けて商品認知にもつながると思います。

<取材担当者>
ひとくちにデザインを作るといっても、多くのことを考えてデザインを制作することが大事なんですね。弊社もより深く商品の理解やターゲットユーザーの理解などに努めてデザイン制作をしていこうと思えました!

また、デザインを制作するにあたり、そのデザインは人柄などでも変わったりすると思いますが、地域によっても大きく変わるものなのでしょうか?

<謝敷先生>
確かに住んでいる人の地域柄によってデザインが変わることは多々ありますね。 例えばIDAに所属している学生の出身地でもデザインはかなり変わります。

沖縄県内離島出身の学生は色使いが独特だったり、発想が独特だったりするのでかなり面白いです。

またIDAのある沖縄は台湾に近いため、台湾で使われるデザインを見る機会が多いのですが、台湾のデザインに対するクオリティが想像よりも高くて驚きました。 やはり台湾は国の特性上、ヨーロッパなど様々な国の知見を吸収しながらデザインを作成しているので、多種多様なデザインがあって見てみるととても面白く参考になります。

3.つい購入してしまうようなデザインの例

<取材担当者>
同じ沖縄の出身でもそんなに変わったりするんですね!また台湾のデザインがクオリティの高いものというのは盲点でした。弊社でもぜひ参考にしてみようと思います。
次の質問ですが、謝敷先生の考える「ついつい購入してしまうようなデザイン」の例などはあったりしますでしょうか?

<謝敷先生>
例えば無印良品が販売している「チキンラーメン」ですね。「チキンラーメン」と聞くと大半の人があの有名なひよこのデザインを思い浮かべるかと思います。

ですが無印良品のチキンラーメンはパッケージを見るだけで「無印良品のものだ!」とわかるデザインになっており、ブランド力も相まって非常に良いデザインだと思います。

先ほどお話しした、「デザインを見ただけでどのブランドかわかる」というデザインの良い例だと思います。 こうしたデザインの商品はつい購入してみたくなってしまいますね。

4.クライアントニーズを踏まえたデザイン作成

<取材担当者>
とても面白い例ですね!ありがとうございます。やはりクライアントからただ作って欲しいというのを鵜呑みにしてデザインを制作するのではなく、その企業の特徴や商品の特性を考えて作ることが大事なんですね。

では具体的にクライアントから購入して欲しいターゲットを提示されたうえでデザインを作るときに、意識していることは何でしょうか?

<謝敷先生>
昨今ではSDGsなど、いろんな考えで世の中が変わっていき、それに伴ってデザインも変わっていくので一概に「これだ!」と答えるのは難しい部分もあると思います。

ただ、先ほど述べたように企業のブランドイメージなどを考えてデザインを作っていくことが重要だと思っています。 これまでのデザインの変化に考えてみると、20〜30年前はユーザーがデザインをみて想像を膨らませられるようなデザインが主流でした。

例えばACジャパンのデザインなどは、ユーザーにその意味を考えさせるようなデザインで面白く、個人的には好きですね。

一方、最近は広告デザインをパッとみて、興味がわいたら購入を考えるユーザーも多くなっているのではないかと思います。そこで重要なのは、Web広告が主流となっている昨今で、広告デザインを見て興味を持ち、クリックしてもらえるかではないでしょうか。

クリックをしてもらうために、目に止まるようなインパクトのあるデザインをすることが、ここ最近では重要になってきていると思います。またそれに付随して、一部の企業などではAI学習を導入してユーザーの好みにあったデザインを開発されているようなので、それについての今後の展開も楽しみですね。

<取材担当者>
なるほど。確かにそれは楽しみですね。そういったものが導入されて主流になれば、Web広告業界も大きく変わっていくと思います。

一つ気になる点として、先ほどお話しされていた「ユーザーに考えさせるようなデザイン」とは具体的にどのようなものがあるのでしょうか?

<謝敷先生>
たびたびになりますが、無印良品の出しているデザインで「木の木目を波に見立てる」デザインがあります。個人的には美しくて好きなデザインです。一見すると木の木目にしか見えませんが、よくよく見ると海が見えるという非常に美しいデザインです。

こういったデザインは人に考えさせるようなデザインだと思いますね。 ですが、一方でこういったデザインを用いて商品などの購入に繋げるのは中々難しいのかなとも思います。やはりここで重要になるのが何度もお話ししている「企業がデザインを使用して何を求めているのか」を常々考え、それに合わせたデザインを作成することですね。

5.これからデザインを学ぶ方へ

<取材担当者>
数々の質問にお答えいただきありがとうございました!デザインについて大変勉強になるお話しでした。弊社もより一層クライアント様からターゲットとなるユーザーの方々に受け入れてもらえるような広告デザインを作成していこうと思います。

では最後に、これからデザインを学んでいきたいと考えている方達に何かアドバイスなどあればお願いします!

<謝敷先生>
どの時代でもデザインは重要だと思います。さらにどの業界でもロゴの作成などでデザインはとても必要なものでしょう。

そのためデザイン制作とは、どんな時代でもさまざまな業界に対して応用のきくスキルだと考えています。デザインに興味のある方は、過去のデザインから現在のデザインまで幅広く見て知見を吸収し、一つでも多くのデザインを作ることが大事だと思います。

ひとくちにデザイン制作といっても、それはとても奥深く、面白いものなのでぜひ勉強してみてください!将来、きっと役に立つスキルになるでしょう。

KBC学園グループ インターナショナルデザインアカデミーについて
所在地:沖縄県浦添市牧港1-60-14
校長:前新 健
学科・コース:グラフィック、マンガ、デジタル、建築、ファッションなど 全5学科13コース
URL:https://www.ida.ac.jp/