マーケティング業界では、顧客のニーズを知って戦略を立てる必要があるので課題を見つける能力が不可欠。

課題を発見し、都度解決していくことでマーケティングの精度をよりあげられます。

そこで本コラムでは、マーケティングの課題の見つけ方や解決までの流れ・効果的な手法について詳しく紹介。

マーケティングを実践しているけどうまくいかない方は、ぜひこの記事を参考にしてください。

01マーケティングの課題の見つけ方

マーケティングの課題の見つけ方には、いくつかの方法がありますが、今回はフレームワークを使ったマーケティング分析とマーケティングリサーチをご紹介しましょう。

フレームワークでマーケティング分析を行う

マーケティングの課題を見つけるためには、フレームワークを用いて自社の市場状況を把握する方法が有効的です。

フレームワークで自社の強みや弱みを見つけられ、製品やサービスの改善点を発見できます。

フレームワークの一例として、以下のような分析方法を紹介します。

• 3C分析
• STP分析
• 4P分析

3C分析とは、自社（Company）・競合他社（Competitor）・市場（Customer）という3つの要因を分析し、自社の強みや弱みを明確にしていくフレームワークです。

自社の市場状況を正確に把握し、マーケティングの課題解決につなげるため、重要な戦略といえます。

▼自社の分析（Company）

• 自社の強み・弱みを洗い出す
• 自社の製品やサービスの特徴を明確にする

▼競合他社の分析（Competitor）

• 競合他社の強み・弱みを洗い出す
• 競合他社との差別化点を見つける

▼市場の分析（Customer）

• 顧客のニーズを明確にする
• 市場の規模や成長性を把握する

3C分析については、以下で詳しく解説しているので、参考にしてください。

関連コラム： 『3C分析とはマーケティングで活用する目的から方法と事例をご紹介』

STP分析は、市場を細かく分け、それぞれのターゲット層に合わせたマーケティング施策を行う手法です。

STP分析を用いることにより、効果的な施策を実現し、マーケティング課題の解決に役立ちます。

分析結果に合わせたプロモーションを行うと、マーケティング効果がより高まるでしょう。

STP分析に関しても、以下で詳しく紹介しているので、参考にしてください。

関連コラム： 『4C分析とは？他の分析方法との違いも分かりやすく解説』

4P分析も、マーケティングの課題解決に役立つフレームワークの1つ。

製品・価格・販売促進・流通の4つの要素を分析することで、商品企画や販売促進の企画に役立てます。

それぞれ以下に解説します。

▼製品の分析（Product）

• 顧客が求めるニーズを満たした製品かどうか
• 機能性・デザイン性・品質・コストやライフサイクルも考慮できているか

▼価格の分析（Price）

• 製品のコストや競合他社の価格を考慮した適切な価格か

▼販売促進の分析（Promotion）

• 商品の認知度を挙げられるような広告・プロモーションができているか
• 現在の手法が購入にまで至っているのかどうか

▼流通の分析（Place）

• 商品を効率的に届けられる流通手段か
• 販売場所がブランドイメージと合っているかどうか

詳しくは、以下でもで紹介しているので、気になった方は参考にしてください。

関連コラム： 『4P分析の特徴と戦略の注意点は？企業の具体例もご紹介』

マーケティングリサーチを行う

マーケティングリサーチは、マーケティングの決定事項の補助となるリサーチ方法。

用いることで、マーケティング施策の失敗リスクを回避できたり、新商品の開発に活かせることができたりするため、非常に重要な手法です。

マーケティングリサーチは、市場調査と混同される場合が多くありますが、厳密には意味合いが異なります。

市場調査は、市場の動向や顧客のニーズを把握することが目的。

一方、マーケティングリサーチは、マーケティング施策において必要な情報を収集し、マーケティング戦略の策定や施策の改善に役立てることを目的としています。

マーケティングリサーチには、以下のような手法があります。

• アンケート調査
• インタビュー調査
• 実験（フィールド実験・ラボ実験など）
• パネル調査
• Webアクセスログ分析

これらの手法を組み合わせることで、より効果的なマーケティングリサーチを行えるでしょう。

関連コラム： 『市場調査とマーケティングリサーチの違いとは？メリットや手順も解説』

02よくあるマーケティングの課題

マーケティングには、以下のような課題がよくあります。

• ブランド認知度の低下
• 売上の停滞
• 競争力の低下
• ターゲット層の変化
• 顧客離れの増加

順番に紹介します。

ブランド認知度の低下

競合他社の台頭や、広告媒体の多様化によって、ブランド認知度が低下することがあります。

ブランド認知度が低下すると、製品・サービスの需要が減少し、売上げの低迷につながるのです。

ブランド認知度を向上させるためには、以下のような方法があります。

• 自社のブランドイメージを明確にする
• ターゲット層に合わせた広告媒体を選択する
• 広告の質を向上させる
• 顧客とのコミュニケーションを活発化させる

ブランド認知度の低下を解消し、製品・サービスの需要を増加させましょう。

自社がどのようなものであるか、どのような価値を提供するかを明確にすれば、顧客にアピールできます。

ターゲット層が使用する媒体を把握し、それに合わせた広告を出稿することで、効果的なアピールが可能です。

また、SNSを活用することで、広範な層にアピールできます。

広告のクオリティが高ければ高いほど、顧客の印象に残りやすいです。

たとえば、広告にインパクトを与えるキャッチコピーやビジュアルを使用することで、顧客に印象付けることができます。

顧客とのコミュニケーションを活性化させると、よりブランド認知度を向上させることにつながります。

顧客からのフィードバックを積極的に取り入れ、改善点を反映させることで、顧客の信頼を得られるでしょう。

売上げの停滞

マーケティングにおいて、売上の停滞もよくある課題の1つです。

売上が停滞すると、企業の収益性に影響を与えかねません。

売上げの停滞が起こる原因には、市場の飽和・競合他社の価格競争など、さまざまな要因が含まれますが、この課題を解決するためには、以下のような手法があります。

• 顧客ニーズの把握とターゲティング
• コンテンツマーケティングの活用
• SNS広告の最適化

顧客ニーズを把握し、ターゲット層を絞り込むことで、需要に合わせた商品やサービスを提供できます。

そのためには、市場の調査が必要です。

コンテンツマーケティングを活用することで、顧客との関係性を構築し、ブランド認知度を高められます。

また、SNS広告を最適化することで、ターゲット層にリーチし、アピールできるでしょう。

競争力の低下

競争力の低下は企業にさまざまな問題をもたらす可能性があるため、競争力を維持するためには自社の強みを見つけ差別化戦略を立てることが重要です。

自社の強みを見つけるためには、市場状況を分析する必要があり、自社の製品・サービス・競合他社の市場状況・顧客層の変化などを把握しなければなりません。

また、市場調査やアンケート調査も行い、SNSなどの情報発信ツールを活用して顧客とのコミュニケーションを積極的に行うことも有効といえます。

ターゲット層の変化

市場の変化によって、ターゲット層が変化する場合があります。

たとえば、新しい技術の導入により、製品やサービスが一般的になり、需要が増えるケースもありますし、逆に、既存の製品やサービスが陳腐化し、需要が減少することもあるでしょう。

このような変化に対応するためには、ターゲット層がどのように変化しているかを定期的に把握することが重要です。

ターゲット層のニーズの変化に合わせたマーケティング施策を行うことが必要になってきます。

顧客離れの増加

顧客離れを防ぐためには、品質低下や競合他社との差別化不足といった原因に注意を払うことが重要です。

具体的な解決策として、以下の手法が挙げられます。

• 顧客ニーズを正確に把握する
• 製品やサービスの品質管理に十分な注意を払う
• 競合優位性を持つ
• 顧客とのコミュニケーションを密にする

03マーケティングの課題の解決までの流れ

ここまで、マーケティングの課題の見つけ方やよくあるマーケティングの課題について紹介してきました。

実際に、課題の解決までの流れを把握しておく必要があります。

解決までの流れは、以下のようになる場合が多いです。

1. 課題の発見
2. 解決策の考え方を明確化
3. 解決アプローチ案の作成
4. 施策・改善の実施
5. 結果の検証

順番に解説します。

(STEP1)課題の発見

マーケティング課題の解決には、まず課題の発見が必要です。

ここまで紹介したように、自社の市場状況を分析し・売上げの停滞・競争力の低下・顧客離れの増加などの課題を見つけることが大切になります。

(STEP2) 解決策の考え方を明確化

課題の発見後、解決策の考え方を明確化することが必要です。

解決策の考え方を明確化するためには、以下のような手法があります。

• ブレーンストーミング
• 3C分析
• PDCAサイクル

これらの手法を活用することで、解決策の考え方を明確化させられます。

(STEP3)解決アプローチ案の作成

課題を発見し、解決策を明確にした後は、実際に解決への道筋を導くアプローチ案を作成していきます。

自社の製品やサービスでどのような部分が他社よりも価値があるか、どのような販売やプロモーションを行っていくかなどを、考えましょう。

(STEP4)施策・改善の実施

解決アプローチ案を作成したら、実際に施策を行い、改善に向けて動き出しましょう。

施策を実施するためには、以下のような手順があります。

1. 施策の計画
2. 施策の実施
3. 結果の検証

これらの手順を踏むことができれば、PDCAサイクルを上手く回せます。

(STEP5)結果の検証

これら一連の施策を実施したら、結果を検証し、より改善・効率化できるようにしましょう。

結果の検証には、以下のような手法があります。

• データ分析
• 顧客アンケート

これらの手法を活用することで、結果を客観的に評価し、課題の解決を実現できます。

04課題解決するための手法

マーケティングに関する課題の解決までの流れを紹介しましたが、課題の種類はさまざまあるため、偏った手法にとらわれていると解決できない場合があります。

課題解決するための手法は、以下のような種類があります。

• 顧客ニーズの把握とターゲティング
• コンテンツマーケティングの活用
• SNSマーケティングの活用
• デジタルマーケティングの活用
• インフルエンサーとのコラボレーション

順番に紹介します。

顧客ニーズの把握とターゲティング

マーケティング課題解決のためには、ここまで紹介した通り、顧客ニーズを正確に把握することが重要です。

ターゲット層の興味やニーズに合わせたマーケティング施策を行うことで、効果的な施策を打ち出せます。

具体的な手法としては、顧客アンケートや市場調査などを活用することが挙げられます。

コンテンツマーケティングの活用

コンテンツマーケティングは、顧客との関係性を構築し、ブランド認知度を高めるための手法の1つです。

ブログやSNSなどを活用して、ターゲット層が興味を持つ情報を提供することで、顧客との関係性を深められます。

また、SEO対策にもつながるため、効果的なマーケティング手法といえるでしょう。

SNSマーケティングの活用

SNSマーケティングは、コンテンツマーケティングと同様に、顧客との関係性を構築するための手法。

Facebook・Instagram・TwitterなどのSNSを活用して、ターゲット層が興味を持つ情報を提供することで、顧客との関係性を深められます。

また、SNS広告を運用すると、従来の広告費よりも抑えた費用でターゲティングが可能になるでしょう。

SNSマーケティングに関しては、以下の関連記事で紹介しているので、参考にしてください。

関連コラム：
『SNSマーケティングの基本から実践まで詳しく説明！成功事例5つご紹介』
『Facebookマーケティングとは？メリットや始め方・利用法を解説！』

デジタルマーケティングの活用

デジタルマーケティングは、中小企業でも利用しやすいマーケティング手法です。

WebサイトやSNSなどの活用は、効果的なマーケティング施策につながります。

また、DX（デジタルトランスフォーメーション）を進めることで、自社の優位性が高まり、より効率的なマーケティングを可能にします。

こちらも以下の関連記事で紹介しているので、参考にしてください。

関連コラム：
『【初心者向け】デジタルマーケティングを分かりやすく解説！』
『マーケティングDXの重要性やメリットを実例をあげて徹底解説！』
『中小企業に適したマーケティングの取り組み方と成功事例を紹介!』

インフルエンサーとのコラボレーション

インフルエンサーとのコラボレーションは、自社ブランドの認知度を上げるための有効な手法になっています。

インフルエンサーとのコラボレーションには、SNSを活用する方法が一般的です。

自社が、ターゲットとする層に影響力のあるインフルエンサーを選ぶと効果的な施策が可能。

コラボレーションを行うことで、自社ブランドのイメージアップや商品の販売促進などの効果が期待できます。

インフルエンサーとのコラボレーションに関しても、ほかの記事で解説しているので、参考にしてください。

関連コラム：
『インフルエンサーの種類まとめ｜企業のPRに影響する3つの分類基準』
『施策が成功するインフルエンサーの選び方は？選定基準・起用方法も解説』
『インフルエンサーとは？注目のSNSマーケティングに起用する効果は』
『インフルエンサーマーケティングでおすすめのSNSは？それぞれ特徴を解説』

05難しいときはプロに相談しよう

マーケティングの分野では、専門家のアドバイスは非常に役立ちます。

マーケティングのプロは、市場動向や消費者の傾向に詳しいため、最適な戦略を提案してくれるでしょう。

また、多くの企業の課題を解決してきた経験やノウハウを持っているため、信頼性が高いアドバイスを得られます。

さらに、競合他社の動向やトレンドも把握しており、自社の競争力を高める力強い手助けもしてくれることでしょう。

マーケティングを実践していて、どうしてもうまく実践できない場合には、プロに相談することでヒントを得られます。

自社だけでは停滞してしまっている施策があるなら、自社のビジネスを成長させるために、プロのアドバイスを受けてみてはいかがでしょう。